【提案】学級閉鎖による学力への影響と一人ひとりに寄り添った支援策

「学級閉鎖で学力が低下するのは、低所得家庭の男子小学生だけ」というショッキングなニュースが報道されました。

これは早稲田大学や東京大学の研究者で構成される経済産業研究所の研究チームが2015年から17年度にインフルエンザの流行による学級閉鎖が小中学生の翌年の学力に与えた影響を調査・分析したものです。

この調査により、就学援助を受給する家庭に育つ小学生の男子児童だけ、算数の点数が低下することが明らかになりました。概ね年収400万円前後よりも低い家庭が当てはまります。中でも、閉鎖前の成績が低い児童への影響が特に深刻だったといいます。

学級閉鎖の平均日数は2、3日で、この間に受けられなくなる算数の授業時間は約2時間。このわずかな損失で、低所得層の男子小学生は「1年間の学習の約5%を失ったと解釈できる」といいます。

研究チームの田中教授は「家庭の経済状況が学力への影響を左右することは予測していたが、これほど大きな影響が生じるとは驚いた」と話しています。

一方で、所得の高い家庭の子どもや女子には、学級閉鎖の影響による点数の低下はみられませんでした。

こうした結果は、経済的な困難を抱える家庭の児童が、学級閉鎖という一時的なショックに対してより脆弱だということを示唆しており、コロナによる一斉休校や学級閉鎖が子どもの学力に与えた影響は、同様の傾向があるのではないかと危惧しています。

一方、影響を軽減する方法もありました。効果があることが確認されたのは、1クラスあたりの児童数を30人以下と少なくすることと、教員経験年数の長いベテラン教員による指導を取り入れることだといいます。

いずれにしても、学級閉鎖というイレギュラーな状況に影響を受けやすい児童生徒を注意深くサポートするための体制づくりなど、一人ひとりに寄り添った支援策が求められていると感じます。

そこで、教育長に対して、児童生徒、一人ひとりに寄り添った支援策を提案しました。

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