【提案】弱視をなくすために

3月議会で提案した弱視の対策。これは子どもたちの未来のための提案です。

人の視覚は限られた時期にしか発達しません。発達のピークは生後3か月~18か月とされており、8歳頃には発達が終わってしまいます。

視覚の発達時期に常にものをはっきりと見ることが非常に重要です。斜視や屈折異常、先天性白内障などの疾患があると、正しい情報が脳へと伝達されず、視力が発達しないため、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても良く見えない弱視になってしまいます。

しかし、弱視の要因を早期に発見し、早い段階で治療を開始できれば、視力の発達が期待できます。そのため、視覚の発達時期を逃さずに治療することがたいへん重要です。

このようなことから、3歳児健診において斜視や弱視の検査を行っています。これまでは親が家庭で簡単な視力検査を行うやり方を採用しておりました。しかしながら、子どもが視力検査を理解できなかったり、ふざけたりしてきちんと検査できなくても「たぶん大丈夫」と判断する家庭があるなどの課題がありました。

事実、私の周囲でも「きちんと検査をできなかったけれど、とりあえず問題ないことにした」というご家庭が意外と多くあり、その中に将来弱視になってしまう子どもが一定数いるのではと危惧していました。

個人的なことですが、私の子どももふざけてまともに検査をすることができませんでした。しかし、念のため屈折検査機器で検査をしてもらったところ、目に問題があることがわかりました。先生からは「このタイミングでわかって本当に良かった」と言われたことをよく覚えています。それと同時に「すべての子どもたちがこの機器で検査をできたら良いのに」と感じたことを覚えています。

このような中、本市では昨年9月から屈折検査機器を導入し、3歳児健診での活用をはじめました。これにより遠視や乱視、近視などの異常の有無とその程度が把握でき、弱視の早期発見や治療の手がかりを得ることが可能になりました。また、視力検査が理解できない3歳児にも使用できることから、屈折検査機器導入前に比べて、要精密検査となる3歳児が増えたのではないかと想像しています。

2020年に県内すべての自治体で屈折検査機器を導入した群馬県では、導入前の要治療検出率0.1%に対して、導入後は2.3%と有意に向上しています。一方で、二次検査で要精密検査となったにもかかわらず、約25%が眼科を受診していないことが明らかとなっており、本市でも同様の傾向があるのであれば、強い決意をもって早期にその対策に取り組まなければならないと考えます。なぜなら、弱視は適切な時期に適切な治療をすれば防ぐことができるからです。視力の発達にはタイムリミットがあるからです。「弱視になっても眼鏡で矯正すれば見えるだろう」とか「小さいのに眼鏡をかけてかわいそう」とか、保護者や周囲の大人たちの間違った認識で子どもたちの未来を奪ってはなりません。

事実、高松市でも3歳児健診における屈折検査機器導入の前後で要精密検査となった子どもの割合が優位に増えていることが私の質問により明らかになりました。つまり、機器導入前に「問題なし」と判断された中に精密検査を受けるべき子どもが一定数存在すると考えるのが自然です。

また、要精密検査となったにも関わらず、眼科を受診していない子どもは、毎年2割から3割程度存在することも明らかになりました。

繰り返しになりますが、弱視は適切な時期に適切な治療をすれば防ぐことができます。しかし、視力の発達にはタイムリミットがあります。だからこそ「高松から弱視になってしまう子どもを一人も出さない」という強い決意で速やかに取り組まなければなりません。

このようなことから、屈折検査機器の導入前の子どもたちに、屈折検査機器による検査を促すことを提案しました。

また、要精密検査となりながら眼科を受診していない子どもたちの受診を促す提案をしました。

(提案・質問の項目はこちら

この記事へのコメント